今では申請すれば誰でも行うことができる民泊。
しかし、民泊をするにはチェックしておかなければならない難しい法律もあるんです。
今回はその中でも「消防法令適合通知書」についてご紹介したいと思います。
消防法令適合通知書とは?
この「消防法令適合通知書」とは、その地域の消防署長に交付申請を行い、受け取ることができます。
民泊のように宿泊事業をしている住宅が、消防法令に適合しているかを証明するものになります。
消防法令とは、火災から国民の生命を守るために制定されたもの。
つまり、もし火災がその民泊施設で起きてしまったときに、しっかりとゲストや住人を守ることができる状態にあるという証明になるのですね。
一般の住宅であれば問題ありませんが、マンションのような共同住宅で民泊を行う場合、この通知書を得なければならないことがあります。
民泊は条件が異なる?
民泊の場合、住宅の用途が4つに分かれており、それによって条件が異なります。
それがこちらの4つ。
条件も一緒に説明します。
一般住宅
- 一戸建て
- 家主が不在とならない
- 床面積が50㎠以下
共同住宅
- 共同住宅
- 家主が不在とならない
- 床面積が50㎠以下
- 全ての住戸が一般住宅扱い
宿泊施設
- 一戸建て、家主が不在となる
- 一戸建て、家主が不在とならない、床面積が50㎠を超える
- 共同住宅、家主が不在となる、9割の住戸がこの扱い
- 共同住宅、家主が不在とならない、床面積が50㎠を超える、9割の住戸がこの扱い
複合用途
- 共同住宅、家主が不在となる、9割未満の住戸がこの扱い
- 共同住宅、家主が不在とならない、床面積が50㎠を超える、9割未満の住戸がこの扱い
難しいですね。
ややこしいです。
自分が民泊を行う施設がどれに当てはまるのか、確認してみてください。
設置しなければならない主な設備は?
この消防法令適合通知書を受け取るには、火災対策となる設備が必要です。
一般住宅以外は全ての設置が必要となる場合があるので、注意してくださいね。
それは一体設備にはどのようなものがあるのか、主なものをご説明しましょう。
消化器
これは確実に必要です。
すぐ近くに消化器がある状態にしておくことが大切でしょう。
自動火災報知器の設置
これも絶対必要ですよね。
住宅の場合は住宅用の火災警報器が必要です。
避難経路図
ホテルなどにもこの図を見かけることはよくありますよね。
民泊でもその施設を初めて使うわけですから、何かあったときにどこを通って逃げれば良いのか、すぐにわかるようにしておかなければなりません。
誘導灯
これも必要ですよね。
避難しているときには目印が必要です。
その他、スプリンクラー設置や消防用設備等の点検報告などが必要となります。
ちなみに、消防用設備などの設置が終わったら、設備工事が完了した日から4日以内に、管轄の消防署に「消防用設備等設置届出書」を提出しなければならない場合もありますので、注意してくださいね。
消防法令適合通知書を取得するには?
それではこの消防法令適合通知書を取得するにはどうすればよいのでしょうか?
地域のホームページを見てみると、この通知書を取得する方法が書かれていますが、主な流れは同じです。
①事前相談
事前相談を受け付けているところが多いです。
どんな設備が必要なのかも確認してくれます。
事前相談をする場合は、面積など建物のことがわかる書類や図面などを持参しましょう。
これがないと、その建物にどの消防用設備が判断できないため、この通知書を取得することが難しくなってしまいます。
②消防法令適合通知書の交付申請
その地域の管轄の消防署に交付申請をします。
事前相談のときに申請することもできますよ。
申請書などがホームページに載っていることもあるのでそちらをチェックしてくださいね。
この申請には申請書以外に必要書類が多くあります。
- 案内図
- 配置図
- 平面図
- 立面図
- 防災対象物使用開始届出書
- 工事整備対象設備等着工届出書
- 消防用設備等設置届出書
- 消防用設備等点検結果報告書の写し
- 防火管理者選任(解任)届出書
- 消防計画作成(変更)届出書
- 各種条例に伴う届出書
多いですよね。
事前相談のときに、何が必要になるかもう一度確認しておくことをおすすめします。
③書類審査・立ち入り審査
申請された書類をもとに書類審査、そして立ち入り審査も行われます。
実際に建物を見て、設備の設置状況や安全性など、消防法令の適合状況をチェックするのです。
立ち入り審査のときは15分ほどですが、立ち会いが必要ですので注意してくださいね。
立ち会いの日程は調整してくれますよ。
④消防法令適合通知書の交付
消防法令に適合していると認められれば、消防法令適合通知書を交付されます。
申請から交付の日数は約2日程度。
立ち入り検査のときに指摘事項があったりするとさらに期間が延びます。
まとめ
今回は消防法令適合通知書についてご紹介しました。
少し難しいものではありますが、事前相談も行っているのでわからないことがあれば相談するのが一番です!
しっかり火災対策をできているのかを証明するための通知書なので、民泊をする場合はチェックしておきましょう。